Nov 20, 2015
今日は当社主力製品であります”亜鉛めっき”について簡単に説明したいと思います。
亜鉛めっきとは、鉄の上に亜鉛をめっきすることで、安価で優れた防錆力を発揮するもので、その上にクロメート処理を行うことで、さらに外観と耐食性を向上するめっきです。
写真左が3価・右が6価クロメートです。
「水平リーベ僕の船、七曲シップスクラークか」
これが亜鉛めっきの防錆力理解への第一歩です。覚えていますか?
「貸そうかな、まだあるあてにするな、ひどすぎる借金」
亜鉛めっきを語るうえで最も重要な呪文はこれです!!知ってますか?
K(カリウム)>Ca(カルシウム)>Na(ナトリウム)>Mg(マグネシウム)>Al(アルミニウム)>Zn(亜鉛)>Fe(鉄)>Ni(ニッケル)>Sn(錫)>Pb(鉛)>[H2(水素)]>Cu(銅)>Hg(水銀)>Ag(銀)>Pt(白金)>Au(金)
これは金属のイオン化傾向の序列です。
大きいものほどイオン化しやすい=金属から金属イオンになりやすい
M→M2++2e– 金属だったのが金属イオンになる。
つまり錆びやすいということになります。
鉄だったら、きれいな金属面(Fe)だったのに赤錆び(Fe2+)になる。
イオン化する=酸化する=錆びるとは簡単に言うとそういうことです。
先ほどのイオン化傾向の序列の中で上位の、
K・Ca・Naは空気中では金属として存在できません。
Mg・Alは空気中ではすでに錆びている状態で存在します。
その次に錆びやすいのが亜鉛なのです。
そこで、鉄の上に亜鉛めっきをしたものとニッケルめっきをしたものを比べてみます。
さっきのイオン化傾向 Zn>Fe>Ni をよく考えてください。
鉄の上に亜鉛めっきをすることで鉄の赤さびを防いでいるんです!
自分が犠牲になって本体を守る、亜鉛めっきは侍系のめっきなのです。
亜鉛めっきの上にはクロメート処理をして亜鉛が錆びないように処理をします。
このクロメート被膜も面白いんです。
今日は書ききれませんが、
ウォータープルーフの口紅とか、最近の高いじゅくじゅくした絆創膏みたいな感じです。
めっきは本当に面白い世界です。
この昔からの最も安価で鉄を錆びにくくする、亜鉛めっき。
産業界においては鉄の防錆として大きく役立っており、今後も必ず必要な技術となります。
新和メッキでもますます、ノウハウの蓄積、技術の向上を目指してまいります。